コンテンツにスキップ

五フッ化ヒ素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
五弗化砒素から転送)
五フッ化ヒ素
Structural formula
Structural formula
Ball-and-stick model
Ball-and-stick model
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChEBI
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.029.146 ウィキデータを編集
UNII
性質
AsF5
モル質量 169.9136 g mol−1
外観 無色の気体
密度 2.138 kg/m3 (g/L)[1]
融点 −79.8 ˚C[1]
沸点 −52.8 ˚C[1]
溶解度 エタノール、ジメチルエーテル、ベンゼン
危険性
GHS表示:
急性毒性(低毒性)経口・吸飲による有害性
Danger
H319, H350, H361, H370, H372
P201, P202, P260, P264, P270, P280, P281, P305+P351+P338, P307+P311, P308+P313, P314, P321, P337+P313, P405, P410+P403, P501
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
NIOSH(米国の健康曝露限度):
[1910.1018] TWA 0.010 mg/m3[2]
Ca C 0.002 mg/m3 [15-分][2]
Ca [5 mg/m3 (as As)][2]
関連する物質
その他の
陰イオン
五酸化ヒ素, 五塩化ヒ素
関連物質 三フッ化ヒ素
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
チェック verify (what is チェック ☒N ?)

五フッ化ヒ素(ごフッかヒそ、: arsenic pentafluoride)は化学式AsF5で表される無機化合物ヒ素フッ化物であり、ヒ素の酸化数は5。

合成

[編集]

ヒ素とフッ素との直接反応[3]および三フッ化ヒ素にフッ素を加えて生成する。

または、三塩化ヒ素フッ化水素塩素を加えて生成することもできる[4]

性質

[編集]

無色の気体であり、分子構造三方両錐形である[3]。 固体の状態では、ヒ素とフッ素の間の結合距離は軸方向で171.9pm、赤道方向で166.8 pmとなっている[3]

反応

[編集]

強力な電子受容体であり、四フッ化硫黄との反応によりイオン結合型錯体を形成する[5]

安全性

[編集]

日本の毒物及び劇物取締法では毒物に該当し、発癌性に対する刺激性がある[6]。販売には第一種高圧ガス販売主任者の資格が必要となる。

脚注

[編集]
  1. ^ a b c Record of Arsenic(V) fluoride 労働安全衛生研究所(IFA)英語版発行のGESTIS物質データベース, accessed on 24/12/2007
  2. ^ a b c NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0038
  3. ^ a b c Greenwood, Norman N. [英語版]; Earnshaw, Alan (1997). Chemistry of the Elements (英語) (2nd ed.). Butterworth-Heinemann. doi:10.1016/C2009-0-30414-6. ISBN 978-0-08-037941-8.
  4. ^ 五フッ化リン及び五フッ化ヒ素の製法 特開平10-53406 (j-platpat)
  5. ^ フッ化水素中における、固体または溶液の四フッ化硫黄と三フッ化ホウ素、五フッ化リン、五フッ化ヒ素、五フッ化アンチモンの構造の調査結果 M. Azeem, M. Brownstein, and R. J. Gillespie Can. J. Chem. 47(22): 4159–4167 (1969), doi:10.1139/v69-689
  6. ^ 安全衛生情報センター