テクニカラー (物理学)
| 電弱対称性を破る機構は、強結合ダイナミクスなのか? |
| 標準模型を超える物理 |
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テクニカラー(英: Technicolor)または複合模型とは、1979年にレオナルド・サスキンドとスティーヴン・ワインバーグによって提唱された理論であり、ヒッグス粒子もテクニクォークと呼ばれるフェルミ粒子でで出来ているとされる理論である。また、超対称性がない場合において、大統一理論の有力候補となる理論である。[1]
テクニカラー
[編集]QCDにおいて、質量とは、クォークと反クォークが強い力で凝縮することでできると考えられているが、さらにミクロな世界で同様なことが起きていて、それがヒッグス粒子の正体だ。というのがテクニカラーのアイディアである。クリアしなくてはならない条件を満たす場合に、テクニクォークとテクニグルーオンと間に働く結合定数のグラフがある。グラフには結合定数がエネルギーによらず成長しなくなる領域がある。そのような領域がないとテクニカラーは存在しないことになってしまう。[2]ゲージ相互作用を無視すると、ヒッグス場は、対称性を持つ。ここで、ゲージ固定を行う前ヒッグス場、を考え、右辺をここで、はパウリ行列である。をゲージ化するとするとき、共変微分をとすると、ヒッグス場のラグランジアンは、これはシグマモデルのラグランジアンである。現在においてシグマモデルのラグランジアンがパイオンを記述するときは、低エネルギー有効理論でしか意味がなく、より高エネルギーではフェルミオンで記述されていることを考えると、ヒッグスもそうではないかと思える。これがテクニカラー理論である。テクニフェルミオンの複合粒子はスカラー以外にもベクトルの状態があるので新粒子の質量スペクトルが求められる。[3]
ウォーキングテクニカラー
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8フレーバーQCDがウォーキングテクニカラーの候補となりうる事が、低エネルギーでのカイラル対称性の自発的破れ、中間エネルギーでの近似的スケール不変性と大きな質量異常次元が示唆していることがわかった。また、不定性がまだ大きいものの、テクニベクトル中間子質量とテクニパイオン崩壊定数の比が、この理論からの予言値として求められた。ヒッグス粒子の質量は、約125Gevとされるが、テクニカラー理論の典型的な複合粒子(テクニハドロン)の質量は1000Gevを超える。だが、 ヒッグス粒子はその他のテクニハドロンとは異なり、近似的スケール普遍性に伴う擬南部-ゴールドストン粒子としてなることが予想され、質量が小さくなることが予想される。[4]
背景
[編集]テクニカラーは、1979年にレオナルド・サスキンドとスティーヴン・ワインバーグによって提唱された理論である。[5]名前は量子色力学からもじったものである。そして、1985年頃にホールドムやミランスキー、山脇幸一によってサスキンドのアイディアが実験結果と矛盾しないようにウォーキング・テクニカラーという模型が提唱された。[2]
関連項目
[編集]出典
[編集]- ^ “MEXT”. 2025年9月24日閲覧。
- ^ a b “計算基礎科学連携拠点”. 2025年9月19日閲覧。
- ^ 富谷昭夫 (2012年2月6日). “ミニウォーキングテクニカラーの実現に向けての格子シミュレーション”. 修士論文. 2025年9月29日閲覧。
- ^ “基礎理論研究センター”. 2025年9月19日閲覧。
- ^ “Scalar or Technicolor? S. Weinberg, “Why the Higgs?””. ERROR. 2025年9月29日閲覧。