三井住友銀行横浜支店
三井住友銀行横浜支店 | |
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![]() 旧店舗 | |
情報 | |
旧名称 |
三井銀行横浜支店 さくら銀行横浜支店 |
用途 | 銀行 |
設計者 | トロウブリッジ・アンド・リビングストン建築設計事務所 (Trowbridge & Livingston) |
施工 | 清水組(現 清水建設) |
建築主 | 三井銀行 |
構造形式 | 鉄骨鉄筋コンクリート構造 |
建築面積 | 950 m² [1] |
階数 | 地上2階[1] |
竣工 | 1931年 |
所在地 |
〒231-0007 神奈川県横浜市中区本町2丁目20 |
座標 | 北緯35度26分52.7秒 東経139度38分24.25秒 / 北緯35.447972度 東経139.6400694度座標: 北緯35度26分52.7秒 東経139度38分24.25秒 / 北緯35.447972度 東経139.6400694度 |
三井住友銀行横浜支店(みついすみともぎんこう よこはましてん)は、神奈川県横浜市中区本町4丁目に所在する建築物。
1931年(昭和6年)の竣工で老朽化が著しいことから、低層部に旧建物を復元した形で建て直すことになり(#建て替えを参照)、同支店(支店コード:588)は2024年(令和6年)10月下旬、約400メートルほど離れた「横浜ベイサイドビルディング」に仮移転した[2]。
2025年(令和7年)8月22日には、建物が横浜市認定歴史的建造物に認定された(建て替えによる復元後も歴史的建造物として活用する方針)[3]。
歴史
[編集]本町通り沿いに1931年(昭和6年)、三井銀行横浜支店として建設された[注 1]。設計はアメリカのトロウブリッジ・アンド・リビングストン建築設計事務所。同事務所は、東京の三井本館(1929年竣工)や、同行の大阪府大阪市の旧川口支店・旧船場支店[4]、愛知県名古屋市の上前津支店などの設計を手掛けた[5]。しかし、横浜支店が解体されるため、建築当時のまま三井住友銀行の店舗として営業しているのは上前津支店のみとなった[6]。
本町通り周辺は「ハマのウォール街」と呼ばれ[5]、神奈川県立歴史博物館(旧横浜正金銀行)や損保ジャパン横浜馬車道ビル(旧川崎銀行)、ラ・バンク・ド・ロア(旧露亜銀行)、旧富士銀行横浜支店などの昭和初期に建てられた銀行建築があるが、令和の時代まで現役で銀行店舗として使用されたのはこの建物だけである[6]。
建築
[編集]正面に4本、側面に2本のイオニア式の柱が特徴で、縦に溝が彫られた円柱と、柱頭に渦巻状の装飾が乗る。内部はコリント式の柱列が吹き抜けの天井を支える。軒には40cmの庇が張り出し、上部窓の下の壁面には帯状にギリシア雷文が彫られている。外壁は2〜3年ごとにサンドブラストで研磨され、美観が保たれている[6]。細部の造形はアメリカより現物大の石膏模型が送られてきて、これに基づいて製作された[1]。
建て替え
[編集]三井住友銀行では築90年が経過し老朽化が進んでいることから、低層部に現建物を復元した形で地下1階、地上16階建て(高さ約74.9m)のビルへの建て替えを計画した。しかしその後、建て替え規模が縮減されることになり、地下1階、地上8階建て(高さ約43m)に変更となった。これに伴い、外観デザインも一部変更される[7]。
設計は日建設計が担当し[8][9]、当初は2025年6月の着工と2028年3月の竣工を予定していたが、前述の計画変更もあって遅れており、2025年8月時点の情報では同年度中の着工を目指している[3]。完成後のビルは、1・2階を銀行店舗、3階以上を三井住友銀行グループの事務所として利用する予定である[2]。
脚注
[編集]- 注釈
- 出典
- ^ a b c 『ヨコハマ建築慕情』pp.82-83
- ^ a b 「かながわ百景 横浜の金融史を刻む」『毎日新聞』神奈川版 2024年8月28日 17頁
- ^ a b c 横浜市都市整備局都市デザイン室 (2025年8月22日). “建替工事を予定している「三井住友銀行横浜支店」を横浜市認定歴史的建造物として認定し、外観及び内観の一部を復元します!”. 横浜市. 2025年8月31日閲覧。
- ^ 近代建築遊歩 ~絵葉書に見る或る日の都市景~:大阪の都市景観 その3
- ^ a b 『ハマの建築探検』pp.32-33
- ^ a b c “横浜が誇る歴史ある建物、本町通りの「三井住友銀行」を徹底調査”. はまれぽ (2015年4月27日). 2016年7月18日閲覧。
- ^ “【三井住友銀行横浜支店の建替】計画規模を半減/外観デザインも一部変更”. 建設通信新聞 (2024年6月13日). 2025年6月17日閲覧。
- ^ “三井住友銀行 横浜支店を建て替え”. 建通新聞 (2022年12月7日). 2024年5月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月2日閲覧。
- ^ “第69回横浜市都市美対策審議会景観審査部会議事録・資料”. 横浜市 (2022年11月22日). 2024年5月2日閲覧。
参考文献
[編集]- 吉田鋼市『ヨコハマ建築慕情』鹿島出版会、1991年5月20日、82-83頁。ISBN 4-306-04284-7。
- NPO法人横浜シティガイド協会『ハマの建築探検』神奈川新聞社、2002年6月26日、32-33頁。ISBN 978-4-87645-315-3。