木馬は廻る
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『木馬は廻る』(もくばはまわる)は、江戸川乱歩が発表した短編小説。
概要
[編集]1926年(大正15年)10月、『探偵趣味の会』発行の『探偵趣味』に掲載された。乱歩は『探偵趣味』には随筆はよく書いたが、小説は全巻を通じてこれ一篇をのせたきりであった[1]。
あらすじ
[編集]格二郎は好きからなったラッパ吹きで、郷里の町の活動館の花形音楽師だったのが、今はラッパ片手に木馬館で働いていた。格二郎は中年で妻も大きい子供もいるが、切符切りの少女お冬に恋慕のようなものを感じてしまう。ある日、現れた青年が曰くありげな封筒をお冬の洋服に残して去っていく。格二郎はそっと封筒を抜きとってみると、それは恋文ではなく誰かの月給袋だった。さっきの若者は逃げ場に困り、スリ取ったこの月給袋を、丁度前にいたお冬のポケットにそっと入れて置いたのだった。格二郎は泥棒のうわ前をはねた浅ましさを忘れるように、お冬に欲しがってたショールを買ってやるといい、楽隊にもあとで一杯ずつおごるから、一つ廻せという。そして廻転木馬は廻ったのだった。
収録作品
[編集]舞台化
[編集]2017年2月、シアタートラムで初演された同題の舞台作品は、本作をはじめとする江戸川乱歩の8本の短編小説を、1本の作品として再構成したもの[2]。
上演日程
[編集]キャスト (舞台)
[編集]スタッフ (舞台)
[編集]- 原作 - 江戸川乱歩(『二銭銅貨』『二癈人』『D坂の殺人事件』『お勢登場』『押絵と旅する男』『木馬は廻る』『赤い部屋』『一人二役』)
- 作・演出 - 倉持裕
- 美術 - 二村周作
- 照明 - 杉本公亮
- 音響 - 高塩顕
- 衣裳 - 太田雅公
- ヘアメイク - 宮内宏明
- 演出助手 - 相田剛志
- 舞台監督 - 橋本加奈子