Not even wrong
表示
"Not even wrong"とは、疑似科学や質の低い理論を指す成句である。日本語では「間違いですらない」、「間違ってもいない」などと訳される。議論の場や紹介において科学を偽っているが、誤謬や憶測に基づいているために論理的厳密かつ科学的に、正しいとも間違っているとも断定できない理論を指す。
「間違った」成句として
[編集]概して理論物理学者ヴォルフガング・パウリを嚆矢とすると言われる。彼は誤った考え方やミスを含む考え方に対して色彩豊かな反論をする人物として通っていた。[1][2]
ルドルフ・パイエルスが記録する所によれば、
「ある友人がパウリに若い物理学者の論文を見せた。あまり価値のない論文だと思ったが、パウリの見解を聞きたかった。パウリは悲しそうに『Not even wrong』と言った」[3][4]
「それは正しくないだけでなく、間違っているとも言えない」とも引用できる。パウリの母国語であるドイツ語ならこう書かれるであろう。
"Das ist nicht nur nicht richtig; es ist nicht einmal falsch!"
パイエルスは、この類の表層的引用が蔓延している事を取り上げまた、パウリがレフ・ランダウに「あなたが言ったことはあまりにも乱絡で、ナンセンスかどうか判断できない」と返答したという別の例も挙げている。[3]
パイエルスのこのモデルでは、単純に間違っているもの(例えば、事実から論理的な誤りによって誤った結論に至るもの)と、誤りを証明することが絶望的なものとを明確に区別する。[5]
ピーター・ウォイトは「間違っていない」という表現を「反証不可能」という意味で使っている。
関連項目
[編集]出典
[編集]- ^ Shermer M (2006). “Wronger Than Wrong”. Scientific American 295 (5): 40. Bibcode: 2006SciAm.295e..40S. doi:10.1038/scientificamerican1106-40. オリジナルの10 August 2011時点におけるアーカイブ。.
- ^ Jung, C. G.; Pauli, Wolfgang; Meier, C. A.; Zabriskie, Beverley; Roscoe, David (1 July 2014) (英語). Atom and Archetype: The Pauli/Jung Letters, 1932–1958. Princeton University Press. p. xxxiii. ISBN 978-0-691-16147-1
- ^ a b Peierls, R. (1960). “Wolfgang Ernst Pauli, 1900–1958”. Biographical Memoirs of Fellows of the Royal Society 5: 186. doi:10.1098/rsbm.1960.0014.
- ^ Peierls, Rudolf (1992). “Where Pauli Made His 'Wrong' Remark”. Physics Today 45 (12): 112. Bibcode: 1992PhT....45l.112P. doi:10.1063/1.2809934.
- ^ Thomas, Gary (2007-04-16) (英語). Education and Theory. McGraw-Hill Education (UK). p. 15. ISBN 978-0-335-23027-3. "Pauli had three levels of insult for what he saw as bad science: 'Wrong!', 'Completely wrong!' and 'Not even wrong!' – the last meaning that the work couldn't even be shown to be wrong."
外部リンク
[編集]- “20 Years of Not Even Wrong”. Not Even Wrong - Columbia Math Department (2024年3月20日). 2024年8月25日閲覧。