SQLite
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開発元 | リチャード・ヒップ |
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初版 | 2000年8月17日 |
最新版 |
3.50.4[1] ![]() |
リポジトリ | |
プログラミング 言語 | C |
対応OS | クロスプラットフォーム |
種別 | 関係データベース管理システム |
ライセンス | パブリックドメイン |
公式サイト |
sqlite |
SQLite(エスキューライト[2][3]、エスキューエライト[4][5]、なお、作者のHippはエスキューエルアイト(/ˌɛsˌkjuːˌɛlˈaɪt/[6][7][8])と発音している)は、パブリックドメインの軽量な関係データベース管理システム (RDBMS) である。
概要
[編集]サーバとしてではなくアプリケーションに組み込んで利用されるデータベースである[9]。 一般的なRDBMSと違い、APIは単純にライブラリを呼び出すだけであり、データの保存に単一のファイルのみを使用することが特徴である。バージョン3.3.8からは全文検索のFTS1モジュールがサポートされた。その後 FTS2 - FTS3 と強化を続けバージョン3.7.4からはFTS4モジュールがサポートされている。
特徴
[編集]- SQL92の機能の多くを実装
- 著作権を放棄しパブリックドメインに帰している
- サーバではなくライブラリ
- ライブラリは数百KB程度のフットプリント
- Cランタイム以外の別途ライブラリを必要としない
- 管理ツールによるセットアップやメンテナンスを必要としない
- コマンドラインツールも使える
- バイトオーダに依存しない(2.6.3以降)、可搬性のある単一ファイル
- 最大128TiBまで
- ファイルを使わない、揮発性のインメモリデータベースとしても利用可能
- データ型を指定する必要がない
- サポートしている型は、Null/Integer/Real/Text/BLOBのみ
- Unicodeのサポート
- BLOBはメモリの許す限り
- ROWIDを持っている(ただし3.6.18以前は外部制約キーの仕組みがない)
- トランザクションのサポート
- ビューのサポート
- トリガーのサポート
- C言語を使って関数を追加できる
- Tclバインディングを配布キットに標準添付している
- PHP5、Python 2.5、Adobe AIRで標準サポート
- その他、C、C++、D、Curl、Perl、Ruby、Delphiなど多数のプログラミング言語用のバインディング
- 全文検索のFTS1モジュールがサポートされ、SQL文で全文検索インデックスに対して検索できる
- Android端末の標準ライブラリとして採用されている
解説
[編集]SQLiteとは?[10]
SQLiteは、小型で高速、自己完結型、高信頼性、フル機能を備えたSQLデータベースエンジンを実装したC言語ライブラリです。SQLiteは世界で最も利用されているデータベースエンジンです。SQLiteはすべての携帯電話とほとんどのコンピュータに組み込まれており、人々が毎日使用する無数のアプリケーションにもバンドルされています。
SQLiteを組み込んだアプリケーションの一例
- AndroidのデータストレージAPI
- Mozilla Firefox(142.x現在)[11]
- Mozilla Thunderbird(142.x現在)[12]
ストレージに互換性があれば、データベースインスタンスを格納したファイルはWindows、Linux等で共用可能である。一時的な利用ならばインメモリデータベースを割り当てることが出来る。ストレージまでネイティブコードで直接実行し、間になんらかのプロトコルやプロセス間通信を伴わないことにより、単一のトランザクション内におけるレイテンシをある程度削減することに成功している。一度トランザクションを開始するとストレージはロックされ、トランザクション中のセッションはキャッシュを有効利用して動作するため、高速にデータベースにアクセスすることができる。動的リンク、静的リンク共に対応しており、(3.50.x現在)静的リンクで実行ファイルを生成しても、おおむね700KB程度のフットプリントで、充実したSQLステートメントと束縛のないデータ型を利用することができる。
SQLiteのデータ型(3.50.x現在)
- NULL: NULL値
- INTEGER: 符号付整数
- REAL: 浮動小数点数
- TEXT: テキスト(UTF-8, UTF-16BE, UTF-16LE)
- BLOB: Binary Large Object(画像データなど)
ウィキブックスには、より多くの具体例が記載されています[13]。
管理ツール
[編集]- 「sqlite」または「sqlite3」というコマンドラインユーティリティーが付属しており、CUIでSQLiteのデータを操作できる。
- 「Navicat for SQLite」はデータの編集やSQLクエリ、データモデリングのツールを備え、データ転送、インポート/エクスポート、データの同期、レポートなどの機能が提供されている。
- DB Browser for SQLite Windows, Mac OS, Linux, FreeBSD に対応したGUI管理ツール。ライセンスは Mozilla Public License Version 2。
ODBC
[編集]SQLiteのODBCドライバがサードパーティーから提供されている。SQLite 2とSQLite 3のバージョンがあり、SQLite 2向けには、さらにUTF-8対応版がある。
脚注
[編集]- ^ "SQLite Release 3.50.4 On 2025-07-30"; 閲覧日: 2025年7月30日; 出版日: 2025年7月30日.
- ^ “SQLiteとは エスキューライト: - IT用語辞典バイナリ”. 2014年6月14日閲覧。
- ^ “SQLite”. 2014年6月14日閲覧。
- ^ “An Introduction to SQLite”. 2014年6月20日閲覧。
- ^ “Ruby on Rails チュートリアル”. 2014年6月20日閲覧。
- ^ “Why SQLite succeeded as a database with Richard Hipp, creator of SQLite (The Changelog #201)” (英語). Changelog. 2021年7月4日閲覧。
- ^ (日本語) An Introduction to SQLite 2021年7月4日閲覧。
- ^ Bell, Adam Gordon. “The Untold Story of SQLite” (英語). CoRecursive Podcast. 2021年7月4日閲覧。
- ^ Bill Lubanovic 著『入門Python3』、斉藤康毅 監訳 ・長尾高弘 訳、株式会社オライリー・ジャパン発行、オーム社 発売、2017年2月3日 初版 第6刷、246ページ
- ^ “What Is SQLite?”. SQLite Consortium. 2025年9月15日閲覧。
- ^ (Linux)/home/$USER/.mozilla/firefox/等の個人設定フォルダ以下に拡張子.sqliteファイルがあればSQLiteを使用
- ^ (Linux)/home/$USER/.thunderbird/等の個人設定フォルダ以下に拡張子.sqliteのファイルがあればSQLiteを使用
- ^ SQLite - Wikibooks
関連項目
[編集]書籍
[編集]- The Definitive Guide to SQLite 2006/06/19, ISBN 1-59059-673-0
- SQLite 入門 2005/09, ISBN 4-7981-0943-6
- PHP+SQLite実践サンプルブック 2005/07, ISBN 4-88337-429-7
- 改訂版PHPポケットリファレンス 2005/09, ISBN 4-7741-2502-4
- SQLite 入門 第2版 2009/05, ISBN 978-4-7981-1944-1
- SQLiteポケットリファレンス 2010/10, ISBN 978-4-7741-4394-1
- Android UIデザイン&データベースプログラミング 2011/06, ISBN 978-4-88337-761-9